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HOME > ゴルファーズ > ダイジェスト VOL5.「ゴルフは生活の1ピース」 2009/03/14
VOL5
ゴルフは生活の1ピース

フォトグラファーがフォトグラファーに撮られたら?
今回のゴルファーズ・ダイジェストは趣向を変えて、フォトグラファーがフォトグラファーに撮られたら? という一風変わった展開を試みた。被写体となるフォトグラファーは、木下裕見子さん。 ロケの当日は、愛犬のさくらちゃんと一緒に登場してくれた。木下さんとさくらちゃんを撮影したのは、本連載でお馴染みの岡野さんだ。

まずは、木下さんの作品を存分にご堪能頂きたい。仕事柄、色々なカメラマンと接する機会があるが、個々のカメラマンによって作品に性格がでると思っている。 岡野さんの写真は、現場の空気をそのまま持ち帰ったような緻密さが特徴だと思っているが、木下さんの場合、被写体に「やさしさ」というフィルターをかけて撮影しているかのような、穏やかでほのぼのとしたところに個性を強く感じさせる作品ではないだろうか。光の影響を繊細に計算して撮られた作品であるのはもちろんだが、そこに木下さんの優しく、おおらかな性格が見て取れるのが非常におもしろい。とくに、さくらちゃんのカットは、被写体に対する愛情がそのままにじみ出ているようで、見る者にある種の安らぎを感じさせる作品だ。

木下さんは、普段レストランなどの取材や、広告写真、物撮り、ポートレート、CDのジャケット撮影、本の表紙の撮影、ストックフォト用の撮影と、マルチに活躍されている。ストックフォトというと聞き慣れない言葉だが、出版にたずさわる編集者やカメラマンなどが、あらゆるジャンルの画像が文字通りストックされている中から、目的にあった画像を買うというシステム。木下さんは、そのストックされる画像も撮っているのだ。今年は、2月に「ランズエンドの向こう」と題した個展も開催し、フォトグラファーとして幅広い活躍をなさっている。 フォトグラファーとして成功を収めている木下さんだが、その道のりは波瀾万丈で、一筋縄ではいかない。

英文科に籍を置いていたという大学生時代から、「一眼レフを持ち歩いていた」そうだが、自分がフォトグラファーになるとはこの時は夢にも思わなかった。普通に大学を卒業後、OLとして企業に就職する。OL生活を続けていくうちに、海外での生活を夢見るようになる。そこで一念発起してフランスの写真学校へ入学。ん! 何故に写真学校? しかもフランス? 「海外で生活したいと思った時に、どうせだったら好きな事をやろう。そう思って写真学校に入学しました。

フランスを選んだのは、英語で授業が受けられて、学費が安かったから」 フランスの写真学校を卒業したフォトグラファーと聞くと、ものすごいエリートフォトグラファーのようなイメージを与えるが、本人は至ってアッケラカンとナリユキを口にする。 無事にフランスの写真学校を卒業し、帰国した木下さんを待っていたのは厳しい現実だった。写真学校を卒業したものの、仕事のつてはなく、当然収入も無い。そこで、再びOL生活に逆戻りする。ある程度資金を貯めて再びフォトグラファーとなるが、またしてもOLへと逆戻りし、約2年間のOL生活の後に、ようやくフォトグラファーとして独り立ちを果たす。「最初は雑誌社に売り込みをして、声のかかる仕事はすべてやっていました。今はフリーランスになって4年目で、仕事も安定してきたので、作品に重きをおいた仕事をやりたいと思っています。個展を開くのもそういった想いの現れです」聞けば木下さんの写真がプリントされたエコバックやトートバックなどが販売されているらしい。優しさ、癒し、愛情、そういった言葉がフッと頭に浮かんでくる木下さんの写真。長く辛い道のりがあったからこそ、そうした木下ワールドが構築できたのかも知れない。

プロのフォトグラファーであっても、今はデジタルカメラが主流。木下さんにとってもそれは例外ではなく、デジタルでの撮影も多くこなさなければならない。だが、ロケの当日、彼女が手にしていたのは6×6サイズのハッセルブラッドのアナログカメラだった。「作品というスタンスで写真を撮るときは、ハッセルを使います。元々、ハッセルの見た目と音が好きでした。道具も愛着がもてるからこそ使って楽しい、そう思います。それはゴルフもおんなじです」愛着のあるモノを使うと、毎日がよりいっそう楽しくなる。愛着のある道具は、生活の1ピースだと語る木下さん。
フォトグラファーになって、重たい機材を運ぶために必要に迫られて購入したというゴルフ。なぜ、彼女はゴルフ、それもⅡを選択したのだろうか?

「クライアントの方がゴルフⅠに乗っていたんです。その方にスピニングガレージを紹介してもらったのがキッカケです。
ルノー・サンクも考えたんですが、購入の条件が、壊れないこと、そして自分が納得のゆくデザインであることだったんです。その条件を満たしたうえで、ファーストインプレッションがキレイでかわいいと感じた今のクルマに決めました」今では運転していてとても楽しく、重厚感のある乗り味に惚れ込み、「お金があったとして、たとえカイエンが買えたとしても、ゴルフⅡを選びます。等身大でのれる、そこが一番のポイントです。かわいいデザインも、とても気に入っています」 女性の直感的な審美眼が自然と彼女をゴルフⅡへと導いた、その事実こそ驚愕の事実だ。

だって、考えてみてももらいたい。誰が考えたって、この時代にあえてゴルフⅡを選択するのは、そうとうクルマに精通した人間であるはずだ。ボクの単なる偏見かもしれないが、次から次へとリリースされる新車は、より一層快適で、より一層カッコ良く、より一層走りがよくって、より一層信頼性が高く、より一層人々の目を引き、より一層誰もが欲しくなる、そういうクルマを目指して自動車メーカーはしのぎを削り合って、切磋琢磨しながら新製品を生み出しているハズだ。なのにだ、世界的な名車を、まったくクルマに詳しくない女性が、指名買いしているというこの事実。そして、まったく知識が無いにもかかわらず、ゴルフⅡの機能性、実用性、利便性、可能性、すべてを享受して、幸せに生活しているという事実。かくまでにゴルフⅡとは、優れたクルマなのである。

ハッセルブラッドとゴルフⅡ。どちらも木下さんには欠かせない生活の1ピースなのだろう。気に入ったものに、愛着を持って接する。そこから生まれてくるのが、木下ワールドなのだ。モノにこだわる、だからこそ道具も本来のポテンシャル以上に使いこなせる、ハッセルで撮った写真の向こう側に、ゴルフⅡの不変の可能性を見いだした気がした。

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