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HOME > ゴルファーズ > ダイジェスト VOL7.「吉村教授のN.V.H.」 2009/07/27
VOL7
吉村教授のN.V.H.

GOLFII
春の優しい日差しが降り注ぐ中、さくらのはなびらの風に舞うのを心地よく感じながら、俺は首都大学東京の門をくぐった。
新学期が始まったばかりなので、キャンバスには多くの学生の姿が見受けられる。
みな、来たるべく新たな生活への期待からか、意気揚々として見える。
そんな光景を目の当たりにして、自分の心にも軽い高揚感を感じる。

一般教養を終え、今年からはより専門的な授業を選択できる。実は、もう既に選択する授業はほぼ決めてしまっている。将来の目標は、自動車メーカーで新型車の開発に携わること。そこから逆算すると、自ずと自分がとるべき授業が定まってくる。その中でも、特に惹かれているのが、吉村卓也教授の「機械の力学」、「振動工学」と「独創機械設計」という授業だ。
吉村先生とは、既に顔見知りだ。というか、ちょっと、いや大分お世話になっている。というのも、サークル活動で学生フォーミュラの設計から製作、レース活動をしているのだが、吉村先生はその相談役であるからだ。余談だが、学生フォーミュラとは、450ccのバイクのエンジンを、学生自身がいちから設計し組み上げたフレームに搭載し、その車両の評価をあらゆる観点から行うものである。車体は、サスペンションやハブまで学生が自作する。

面白いのは、車両の評価項目で、当然のことながら動的な性能を多角的に審査するのだが、それがすべてではないという点。車両製作にあたり、コスト管理や、各パーツについての生産性や機能上の優位度合いなどを口頭で試験される。また、実際の自動車メーカーにて行われる、新製品のプレゼンテーションを模擬したテストまで行われる。このサークル活動のお陰で、今まではろくに工具を使った事もなかったのだが、今では車体の構成や、メカニカルな作業、さらにはコストをいかにして抑えるかといったことまでわかるようになってきた。俺にとっては、来たるべく将来への練習になるばかりか、モチベーションの維持、先輩や後輩、更には自動車工学を専門にしている教授など同じ夢を持つ人たちとの繋がりが生まれるなど、このサークル活動は非常に有意義なものとなっている。

話は戻るが、吉村先生には、サークル活動以外でも面倒をみてもらっている。それというのも、ズバリ、クルマに関することだ。以前は、クルマはFR、つまりフロントにエンジンを搭載した後輪駆動車でないと面白くないという勝手な思いこみをしていた。だから、同じ学部の先輩からターボ付きのFRの日本車を譲り受けたときは、心底嬉しかった。実際にそのクルマに乗ってみて、FRならではの挙動を体感するにつれ、己の思いこみは確信へと変わっていった。だが、ある冷え込みの厳しい冬の夜、吉村先生にクルマで駅まで送ってもらったその日をきっかけに、持論は段々と崩れていった。

吉村先生が、駐車場から出してきたクルマは、フォルクスワーゲンのゴルフだった。それも、最新のものではなく、かなり古いゴルフだ。吉村先生に伺ったところ、第2世代目のゴルフで、ゴルフⅡというのだそうだ。助手席にほんの10分程乗せてもらっただけなのだが、俺にとってその僅かな時間はカルチャーショックを受けるのに十分すぎる程の時間だった。
自慢じゃないが、俺のクルマはターボのブースト圧も上げてあるし、車高も限界まで下げている。だから当然、加速は良いし、コーナリングもバツグンだ。おまけにFRだから、テールのスライド量をアクセリングでコントロールすることだって可能だ。こんな素晴らしいクルマはない! そう思っていた。

だけれども、それは自分が井の中の蛙だっただけであって、世の中にはもっと別の次元で素晴らしいクルマがあるんだということを身をもって知らされた気分だった。ゴルフⅡは、エンジンの吹け上がりにドラマティックな刺激があるわけでもないし、乗り心地がシルキーと呼べるほどスムーズな訳でもなく、コーナリングがクイックな感じでもない。突出して、ある点だけが素晴らしいというクルマではないと思った。 だが、乗っていて大地にしっかりと根を張り巡らせた大木のような、ドッシリとした安定感がある。いってみれば、重厚感ってやつだ。だが、重厚でありながら、交差点や曲がり角では、実にキビキビとした身のこなしを感じさせる。それに比べると、俺の愛車はクイックに曲がってドカンと加速はするが、すべてにおいて軽薄というか、薄っぺらいというか、身が詰まっていない感覚だ。ゴルフⅡは古いクルマながら、ボディの剛性感もすこぶる高く、堅いシェルに守られているという安心感が常にある。おまけに、お世辞にも吹けが鋭いとは言えないエンジンも、低回転からグッと力強いトルクを生み出しているし、キンキンという金属音のような独特のエンジンサウンドと、エンジンが放つビートは乗っていて非常に心地よい。車高が低いわけでもないのに安定した走行感覚も独特のもので、そのフラットライドな乗り心地に、思わずため息を漏らしたほどだ。

その日を境に、俺はゴルフⅡのことを調べまくった。古い雑誌を買いあさっては、ゴルフⅡの記事を読みあさり、その素性の確かさを改めて確認した。どの記事を見ても、ゴルフⅡは名車だと書いてある。帰省した折に、クルマ好きの親父に聞いてみても、アレは名車だという。最新の雑誌でも、歴代ゴルフの中で、とくにⅡは優れていると謳っており、やはり名車だと締めくくられている。そしてなにより、様々な自動車メーカーとクルマの研究開発を共にしている吉村先生が自ら選らんだクルマだ。これは、紛う事なき名車中の名車だと判断した。そして、その頃にはすっかりゴルフⅡにぞっこんに惚れ込んでしまっていた。

調べている内にわかったのだが、ゴルフⅡにはGTIというスポーツモデルがある。しかも、どの雑誌でもGTIの評価はかなり高いものだった。もちろん、トランスミッションはマニュアルだし、旋回性能や高速走行での安定性においてもかなりの期待が持てそうだ。これこそ俺の求めているゴルフⅡだ、そう考えると胸が高まりドキドキして一刻も早くGTIを手に入れたいと思った。 だがしかし、いかんせんクルマが古いので、中古車選びは慎重にならざるを得ない。しかも、ゴルフⅡのGTIとなると、極上車ではとんでもないプライスタグを下げている個体もある。一介の学生には、到底払える金額ではない。一度は諦めようかとも思ったが、GTIへの想いは募る一方で、どうしても手に入れたくてしようがなかった。そこで、ダメもとで吉村先生に相談を持ちかけたのである。すると、先生は「スピニングガレージ」というゴルフⅡの専門店を教えてくれた。

このショップは、先生のゴルフⅡのメンテナンスを依頼しているところだそうだ。日取りを決めて先生と共にお店を訪れてみると、ゴルフⅡばっかりが、それこそ文字通り山のように在庫してあった。そこで、早速自分の予算と希望を伝えると、あとはトントン拍子に話はまとまった。さすが、専門店は持っているスキルが違うということを心底実感した。予算と、希望の車種の折り合いの付け方は、さすがの一声である。吉村先生は、自分のゴルフⅡのメンテナンスについて相談していた。この時、初めて知ったのだが、先生のゴルフⅡは’90年式のCLIで、すでに18万キロを走行しているらしい。

先生は、自動車のノイズや振動、乗り心地などを主に研究しているのだが、やはり専門家だけあって自分のクルマに対する評価も厳しそうだ。この日もエンジンマウントの交換を思案中とのことで、店長に色々と質問していた。結局、交換時期にはまだ早いということで交換は見送られたが、何でも先生はクルマの状態を把握する感覚が非常に敏感で、クルマの異変にはすぐに気がつくらしい。また、クルマの音や振動の専門家だけあって、先生のクルマは、購入後よりも現状の方が遙かに状態がいいのだそうだ。それは、経年劣化していくパーツ類をこまめに交換し、先生の持つ五感をフルに動員してクルマのコンディションを常に的確に把握し、パーツが劣化してきたと同時にそのパーツを交換してきたからこそ、現在の絶好調という環境を作りあげられたのだという。店長さん曰く、「クルマの状態を見抜く目の鋭さは半端ではない」らしい。さすがは、専門家。俺が、初めてゴルフⅡに乗せてもらった時の感動も、地道なメンテナンスがあってこそのものだろう。

だが、その専門家たる吉村先生に言わせると「ゴルフⅡは反面教師」なのだそうだ。というのも、この時代のクルマは、まだ遮音や耐振動の対策が十分ではなく、ノイズやバイブレーションが大きめだというのだ。俺は、逆にそこがクルマを運転しているゾという実感につながっている気がして好きなのだが、専門家としては、確かに気になる部分なのかもしれない。それでも、スピニングガレージの店長に言わせると、先生のゴルフはかなり「静か」な状態に仕上げられているそうだ。 後日、先生にノイズ&バイブレーション対策として、何か特別なことをしているのか質問したことがある。そのとき、先生はエンジンマウントやサスペンションのアッパ-マウント、ブッシュなどをことごとく交換したと言っていた。それだけでも、かなり大きな変化があったようだ。逆に、その他には何もやっていないらしい。そこで、じゃあどうすればもっと静かで快適にできるのだろうかと聞いてみた。すると、「う~ん」としばらく考えた後、気さくに答えてくれた。

「僕が普段自動車会社の人達と研究しているのは、音源からいかにして音や振動をボディに伝えないようにするか、そういうことだね。通常、モノコックボディの設計、要するにボディの骨格をなしている部分の構造変更から始めるわけだけど、ゴルフの場合、もうボディはできあがってしまっているわけだから、構造を変更することは当然できないよね。じゃあ、どうするかというと、ボディに補強材をいれて振動する周波数を変えてやる、もしくは、鉄板の板厚を変更しても同様の効果は期待できるわけだけど、じゃあどこの鉄板を補強すればいいかといわれると、それはしっかりと研究しないとわからないね。同じような目的で、金属接着剤を使ってボディの要所要所の剛性をあげるという手段もある。実際にできるかどうかは別として、フロアとサイドシルの結合面の剛性をあげてやればかなりの効果が期待できるんじゃないかな。あと、振動する鉄板自体にダンパーをつけて振動を減衰するっていうのも効果的だと思うよ。最近は、ボディダンパーっていう面白いモノもあるしね。実は、僕の研究室には自動車会社でボディの設計をしている卒業生が多いので、世界の第一線で活躍している彼らに意見を聞きながら、プロジェクト的にやってみるのも面白いと思っているんだ。」

なるほど。確かに素人が手を出すには敷居が高いようだ。けれども、ゴルフⅡは先生にとっては格好の研究材料なのかも知れない。最新のクルマの設計を研究している人が、ほとんど振動と音という面においては何の対策もなされていない原始的なクルマを愛車にしているというのは、特別な意味があるのだろうか。冷たい雨の降るある春の日の午後、俺は興味本位で先生に聞いてみた。 「振動や騒音という点においては原始的なクルマだけど、それ以外は最高のクルマだと思ってるよ。ボディの剛性感の高さはかなり優れているよね。多分、剛性の絶対的な高さではなく、そのバランスが良いんだろうね。それと、決して良くはないが独特の乗り心地は、個人的に気に入っている。乗り心地と走行安定性という背反する要件を高いレベルで両立させているし。五感でクルマの状況が把握できるから、最新の安全装備はないけれど、逆に安全だと思う。そして、好感を抱かせるのは、シンプルで余計な物が何もない、だけどそれで十分満ち足りていると感じさせるところかな。古いクルマだけど、実用性も十分にあって、スキーにも行くし、好きな登山のアプローチにもゴルフで林道をドンドン走っているよ。脆弱なクルマだったら、不安でどこにも行けないしね。だから、ゴルフは、『等身大の名車』なんだよね。磨き上げて床の間に飾っておくのではなく、普段着のようにいつも身にまとうような、自分の身の丈に合った、名車なんだと思う。」

吉村先生と、ゴルフ談義に花を咲かせている間に、俺のGTIが納車された。納車された日は、嬉しくて嬉しくていつまでもステアリングを握っていた。駐車場にクルマを止めてからも、クルマのあっちこっちを眺め回し、いつまでもクルマから離れたくなかった。そうして、数日が経過し、改めて冷静にクルマと対峙できるようになってくると、吉村先生の言っていたゴルフ論が段々と実感としてわかるようになってきた。ステアリングを切り込んだ時の身のこなし、アクセルを深く踏み込んだ瞬間のエンジンのレスポンス、超高速域での呆れるまでの安定感、クルマの一挙手一投足が様々な雑誌のレポートを思い起こさせる。ノーマルで発揮するこのポテンシャルを目の前にし、メンテナンスやチューニングをしていったら、さぞ素晴らしいクルマに仕上がるのではないだろうか? と感じた。人間とは欲深いものだ。バイトのスケジュールをタイトにして、クルマに手を入れてみようかなどと考えている間に、新学期の授業が始まった。

一発目の授業から、よくわからない。でも、具体的な実験や、解析が始まれば理解できそうだ。授業が終わったあと、吉村先生のゴルフのことを伺った。消耗品やマウント類の劣化していくパーツ類をこまめに交換していることは、先達て聞いていたのだが、実はその他にも結構手を入れていることがわかった。’97年に購入して以後、クラッチ、エンジンマウント、ブッシュ類を交換。マフラーは、アンサ製に変更。腰痛対策としてシートをレカロに換装。足回りは、スプリングにGTI用を選択。ショックはビルシュタインのスポーツショックに。これは、ノーマルと同じストローク量を確保しているという。乗り心地とスポーツ性能を両立させるセッティングにしているあたりが、いかにも玄人らしい。14インチのアルミホイールは、純正パーツで唯一鍛造製のホイールらしい。細かいこだわりが感じられる。つい最近、オルタネーターも交換したらしいが、それによって燃費が5%前後向上したのに加え、エンジンのレスポンスも良くなったとのこと。ミッションもオーバーホール済み。ブレーキは、キャリパーとローターをGTI用に変えてある。逆に、ウォーターポンプとラジエターのファンは18年間交換していないらしい。 話しを聞いていると、実は先生は、結構イジるのが好きなんだということがわかった。ポイントを押さえたパーツ交換は、俺のGTIのメンテナンス&モディファイの方向性を探るうえで、とても参考になった。興味深かったのは、音&振動対策はほとんどされていないというゴルフⅡだが、フロアの運転席側と助手席側にひとつずつ、ビニール袋に砂を詰めたものが設置されているということ。恐らく、フロアの共振を防止するための対策らしいのだが、砂袋とはなんとも原始的だと思った。試しに俺のGTIでも調べてみたら、やはり砂袋が積んであった。これを、もっと現代的な方法で対策したら、音振はかなり良くなるんじゃないだろうか? 「スピニングガレージ」と先生のコラボレートで、ゴルフⅡの音振対策を研究したら、かなり面白い結果が出そうだ。

ボディへの入力で、ボディの変形具合を確認するということか。あとは、ボディの変形を抑えるように設計変更や、特定の周波数帯での共振を抑え込むような対策をすれば、静粛性が向上するということだな。実際の実験方法がわかれば、理解しやすい。吉村先生は、シートの開発にも携わっている。その授業も大変面白い。

専門的な授業は、俺にとってとても楽しく斬新だ。シートの場合は、形状そのものと、クッションとなるウレタンの固さが大きなファクターのようだ。シートの上に着座した人間を、いかに無駄に動かさない様にするかがポイントだな。でも、シート形状の最適化に関しては、かなり難しそうだ。逆に言えば、今後の授業が非常に楽しみだ。  俺のGTIは、納車以後、絶好調だ。走っていてとても楽しいし、不満な点もない。でも、吉村先生の話を聞いていると、自分のクルマにも手を入れてやりたいと考えている。最初は、車高調を組んで、ホイールをインチアップしてと、走りを向上させる方向にばかり考えを巡らせていたが、ネオオールドとも呼べる年式のクルマだけに、メンテナンス方向のファインチューニングから手を付けた方がいいだろうと方針を変更した。もちろん、吉村先生の影響をかなり受けているのだが。  このあいだ、先生とバッタリ校内で出会ったとき、何故先生がゴルフⅡを選んだのか聞いてみた。かなりの熟考の結果の選択なんだろうと予想していたが、先生の答えは意外とあっさりとしていた。「実はね、ゴルフⅡに乗り始めたのは、縁というか、偶然でもあったんだ。’96年に半年くらいアメリカに留学していたんだけど、当時はバイクにしかのっていなかったんだ。でも、アメリカで生活していくにはクルマがないと非常に不便だったから、クルマを買うことにしたんだけど、日本車はかなり高くて手が出なかった。そんなときに、新聞の個人売買欄でゴルフⅡの出物を見つけて、それで購入したんだ。17万キロも走行していた個体だったんだけど、しっかりと整備して乗ったら、これが想像を絶する程よく走ってくれて感動したんだ。それで、こんなに良く走るクルマだったら、日本に帰ってきてからもゴルフⅡに乗ろうと思ったんだよ。アメリカで乗っていたクルマは、30万円弱で購入して、売るときには30万円以上で売れたしね! 」

そうか。質実剛健というゴルフⅡに対する俺のイメージは、間違いじゃないんだ。先生のゴルフⅡは、18万キロと結構走行距離がかさんでいるクルマだけど、それでも絶好調というのは日々のメンテナンスの賜物に違いない。だけど、先生がアメリカで購入したゴルフⅡも、17万キロという走行距離でありながら、購入後にメンテナンスをしたことで、素晴らしいクルマに変身したわけだ。 つまり、ボディやエンジンなどのクルマの根本となる部分はしっかりと作られていて、いわゆるエンジンマウントやブッシュ類などのゴム系のパーツや、足回りなどの消耗品をキチンと交換さえしてやれば、走行距離による経年劣化の度合いが低い状態で維持することが可能なんだろう。とくに、ボディのヤレが進行しにくい、言い換えれば剛性と強度の高いボディを持っており、ボディ自体が頑丈なので劣化するパーツさえ交換してやれば、新車時と同様の乗り味を維持することができるということだろう。ということは、俺のGTIも消耗品を変えていけば、ピンシャンした乗り味のクルマにリニューアルすることができるハズだ。やはり、モディファイの方向性は、クルマの初期化だな。新車と同等の性能に戻してやる。それからチューニングをすればいいだろう。 午後の授業が終わると、早々にGTIで首都大学東京を後にする。今日も、俺のクルマは好調だ。この状態から、さらに良好なクルマに仕上げる、そう思うと期待で胸が高鳴る。鼻歌交じりで、こまめにシフトチェンジを繰り返しながら、スピニングガレージへと向かう。目指すは吉村先生のゴルフと同様のコンディション。大幅に増やしたバイトも苦にならない。俺は、日差しを浴びてキラキラと輝くさくらの新緑の初々しさに己の未来を照らし合わせながら、深くアクセルペダルを踏み込んだ。

※作中の主人公である「俺」とは、フィクションであり、実在する人物ではありません。

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