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オグラのFGXプロジェクト

 クラシカルな佇まいを気軽に楽しむ!

2010.01.12 08:25
FGX PROJECT VOL.4





  第4回  検討する時間こそが楽しい 


  オグラはいま、スピニングガレージの協力を得て、ゴルフⅡの後期型であるRV型で、初期型GX型のフェイク(偽物)を作ろうとしている。  その理由は、以前にも書いたが、エンジンの燃料供給方式がデジファント(電子制御)となる後期型のRV型なら、半機械式であるKEジェトロのGX型よりは気を遣わずに乗ることができると思われるからだ。  まさに、GX型のクラシックな佇まいを気軽に楽しむため、である。  



  これは、いい替えれば、GX型、そしてもちろん、そのオーナーへのリスペクトでもある。  ご存知の方も多いと思うが、ヨーロッパではすでに '70年代や'80年代のクルマが注目されていて、“ヤングタイマー”あるいは“ヤングクラシックス”というくくりで、ひとつの文化的ムーブメントを形作っている。  クルマそのものを楽しむということもあるが、それが醸し出すノスタルジーも同時に楽しむというものでもあって、精神的に、あるいは経済的にも余裕がなければできないことだと思われる。  ライフスタイルの表現でもある。  オグラとしては、本物の価値を十分に知りつつ、それを維持するオーナーの、多少の苦労は顧みない心意気を、やや大げさにいわせてもらえば、拍手をもって賞賛したいのだ。  

  さらにいうなら、こういう少しひねった形であっても、あるいは解体される運命にあったかもしれないゴルフⅡを蘇らせ、社会復帰させることは、意義あることだと思う。  「ゴルフⅡという名車を、1台でも多く残していく」というのは、スピニングガレージの社是だが、これにはまったくもって同意する。  ゴルフⅡのオーナーはゆめゆめ、最初の登録(届出)から13年を超えた車の廃車に伴う新車購入、なんて考えないように! オグラは、そうお願いしたい。  

  前置きが長くなってしまったが、では、本題の内装のFGX化についてーー。  


  事前の予想では、トリムほかの部品は大体揃っているため、なんなくFGX化できると思えたのだが、凝り性のオグラが、これまた凝り性のスペシャルヘルパー、安達さんと組んでの作業だったため、意外や時間がかかってしまった。  交換すべきパーツ、また欠品パーツをどうするか、それぞれの吟味に、とりわけ時代考証に、あーでもないこーでもないと検討する時間が長かったのだ。  
  たとえば、オーディオだ。  もともと、この'88のゴルフⅡには、ラジオが付いていなかったので、当初は、スピニングにストックしてあるRV型に標準装着の、表示部がデジタル表示となっているものを付けようという話だった。  それでも悪くはなかったが、オグラは安達さんに、指でボタンをギュッと押して選局する、オーディオというよりはラジオといったほうが正解の、より旧いほうをリクエストしたのだ。  

  今年、還暦を迎えるオグラが年の功を発揮したのは、この時だ。  安達さん、スピニングの膨大な在庫車の中から、そのタイプのラジオを装着しているクルマを見つけ、早速外しにかかった。  でも、さすがの安達さんも、そのタイプのラジオを外した経験がなかったようで、どうにも取り出し方が分からない。  いまのオーディオは、枠というか、ガイドで本体を固定する。  しかし、昔は、左右の大きなボタンの同軸にリングのようなナットを締め込んでフロントフェースを挟み込むような格好にして、本体を固定していたのだ。  オグラがエラソーに、安達さんにその構造を教えたのはいうまでもない。  

  たとえば、シートだ。  GX型のシートは、グレーで目の粗いザックリとした表皮が使われているが、少なからず中古部品を持つスピニングでも、こればかりはない。  このため、暫定的にセレクトしたのは、かつてアプトのコンプリートカーに装着されていたというシート。  とりあえずは、ドアトリムのグレーに見合う色のシートを探したあげく、これに決めた。  工場の2階にある倉庫で、所狭しと並ぶシートをひっくり返しては2ドア用かどうか、色や状態もチェックしたため、結構時間がかかってしまった。  


  実際の作業は、ステアリングホイールの交換から始めて、センターコンソール(パワーウインドースイッチがないタイプへ)の交換と進み、最初の検討課題だったオーディオも装着し終えて、これでダッシュボード回りは完成。  ドアの後ろのトリムも交換して、次はシートの取り付けへ。  安達さんはなんら滞ることなく作業を進めて、無事、室内のFGX化を完了した。  


  あーだこーだと検討する時間がなければ、内装の仕上げは、多分そう多くの時間を要しなかっただろう。  しかし、実をいえば、この検討の時間こそが楽しいのだ。  それは、いってみれば、1分の1のモデル(模型)を作っていく過程であって、もっといえば、世界に1台のゴルフⅡを作るという面白さでもある。  こういうチャンスに恵まれもしなければ、そうそうできることではない。  


  次回は、いよいよボディの板金、全塗装の工程。  さて、スピニングガレージとオグラが話し合って決めた色は、果たして何色だろうか? 初期型のGX型にしかない色で、ソリッド(単色)であることはお伝えしておく。  


小倉正樹




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