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HOME > 小倉正樹のニナルハズ物語 > 第2回 モディファイを楽しめ! 2011/06/20

第2回 モディファイを楽しめ!

不具合という不具合を概ねつぶしたところでやってみたのは、外観をより古めかしくすることだった。 前後のバンパーを前期型のスモールバンパーとして、’88年型あたりの外観を装うことにしてみたのだ。

ゴルフ2好きの間でよく論争となるのは、後期型のビッグバンパーと前期型のスモールバンパーとでは、どちらがカッコイイかという問題。 古くからのゴルフ好きは大抵、スモールバンパーに軍配を上げる。
ゴルフ1の面影をよく残しているし、前方から見た場合、フロントタイヤのトレッド面がよく見えるというところに魅力を感じるという。 一方、ビッグバンパー派は、より衝突安全に強そうで、空気抵抗の少なさそうな現代的な佇まいがお気に入り。
オグラはどちらかといえば、ビッグバンパー派だ。 なぜかといえば、ビッグバンパーのボディとの一体感が全体の塊感を強調するように思えるから。 もっとも、スモールバンパーの「バンパーです」といった感じの機能的な雰囲気もキライではないのだが……。

このクルマをスモールバンパー化しようと思ったのは、たまたまそれが可能な状態、つまり部品が揃っていたこともあるのだが、実は、’09年のフランクフルト・ショー取材の折に、シュツットガルトのメルセデス・ベンツ・ミュージアムを訪ね、“ヤングクラシックス”という新たなムーブメントが起こっていることを知ったことが背景にある。 オグラは、手持ちのGTIでヤングクラシックスをチョイ気取ってみようと思ったのだ。
しかし、このモディファイには、少なからずの出費をオグラに強いた。 部品を交換するだけで終わると思っていたのに、塗装も必要としたのだ。 前後のオーバーフェンダーを外してみると、オーバーフェンダー上端の部分がボディの塗装面をこすっていて、そのキズは意外や深く、塗装し直さなければならなかった。

古いオーバーフェンダー(スモールバンパー用の)を合わせれば隠れるかもしれないと、当ててみると、これが微妙にずれていて、残念ながらキズは隠れてくれない。 やり始めた以上、仕方がない。 泣く泣く前後左右のフェンダーを塗装をした。

ただ、この時点では、スモールバンパー仕様用のオーバーフェンダーは装着しなかった。 オーバーフェンダーはいつでも装着できる。 しばらくは、オーバーフェンダーなしの軽快な感覚を楽しもうと考えたのだ。

ヤングクラシックス化(?)に並行してトライしていたのは、ボディ強化パーツの製作 だ。 この黒のGTIは走行22万km超。 大きな事故の痕跡はなく、ごく普通には乗れていたの だが、少なからず経年劣化を感じていたのがボディ剛性の低下だ。 オグラはゴルフ2がまさに新車だった時代を知っていて、その高い剛性感を体感している。 それだけに、なんとか元に戻せる方法はないものかと思案したわけだ。

オグラは結局、ロールケージの専門メーカー、オクヤマに、フロントのストラットタワーバーとフレームブレース/フロント、フレームブレース/センターの3点をワンオフで作ってもらうことにした。 オクヤマはすでにゴルフ3で、それらのパーツを製作していて、その効果のほどはオグラも何度かの試乗テストで実感していた。 フロントのロワバーやリアのタワーバーは3用に開発されたものがそのまま使えることが分かっていたため、2専用であることを必要とする残る3点の開発を依頼した。 うまくまとまったら、製品化してもらって、誰でも入手できるような状態になればいいと考えていた。

フレームブレースのフロントとセンターの開発は、比較的順調に進んだ。 手こずったのは、フロントのストラットタワーバーだ。 オクヤマは最も剛性確保に適切と思われる位置、つまりタワーのほんの少し前方にバーを渡すことにしたものの、その場合、エンジンの上部にあるスロットル関連パーツとの隙間がなく、干渉する恐れのあることが分かった。 かといって、それを解決しようとややバーを上げると、今度はボンネット側に干渉する。 オクヤマ独自のオーバルシェイプの鋼管(上下方向が薄い)を使うにもかかわらず、上下とも余裕がなかったのだ。

オグラは試作ができる度に、サーキットでのテストを実施し、こうした問題点をオクヤマに伝えてきた。 スロットルのオンオフが激しく、横Gも大きいサーキットで問題がなければ、公道走行ではまったく心配がないということになるからだ。

メイク&トライを重ねた結果、オクヤマが見いだした解決法は、オーバルシェイプの鋼管(バー)をやや回転させて、角度をつけることだった。 こうすれば、適切と思われる位置から大きくずれることもない。 バーはスロットル関連パーツと干渉しなくなり、ボンネットにも干渉しなくなったのである。 さすがに、オクヤマだ。

オグラが依頼した、いわば競技用ともいえる一体式の開発と同時に、より一般的な分割式の開発も進んでいた。 実をいえば、これは、実際にこれらを販売し、取り付けることになる、ショップあるいは整備工場側の要望。 たとえば、エンジンの整備を行う場合、エンジンの上にバーが横たわっているというのはなんともやりずらい。 剛性獲得効果はやや弱められてしまうものの、バーを脱着式にすれば、そうした問題もないということからだ。 ぶっちゃけ、スピニングガレージのリクエスト。 バーの両端をY字型とするのも、スピニング店長、田中さんのリクエストだった。

ステー取り付け部がドーナッツ状となった分割式は、一体式がバーをやや前転させることで干渉問題を解消したのを機に、一気に開発が進み、ほどなくその量産試作はスピニングガレージに納入された。

そんなこんなで、黒のGTIは次第にオグラが理想とするところに近づいていったのだが、好事魔多し。 スピニングガレージから帰り道、16号線のバイパスで突然エンジンが止まってしまった。 即、スピニングに救援を頼む電話をすると、ほどなく平林さんがキャリアカーで駆けつけてくれて、GTIを引き上げてくれた。 スピニングで中西さん(てっちゃん)にチェックしてもらうと、どうやらフュエルポンプが故障したよう。 アア、きてしまった……。 仕方なく、オグラはクルマを預けてトボトボ電車で帰ったのである。

結局、インタンクのポンプとアウターのポンプを交換して、ウン万円のお支払いということになってしまったが、こんなことでめげるオグラではない。 これまで修理にいくらかかったかはあえて計算していないオグラである。 これぐらいの上乗せ、なんてことはない。 やせ我慢だが……。

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